2008年10月8日水曜日

ニイニイゼミ




          2008年07月25日08:20

シェクスピィア・カントリー・パークを一巡したところのカフェで昼食後、
http://www.rosemary-park.jp/park_guide/parkguide_new.html
裏山のベンチに腰掛けてニイニイゼミの声を聞きながら開場時刻までぼんやりしていた。上方には伸び盛りの檜の枝が空に向かって広がり夏を感受していた。外はかなり暑かったようで、歩くと足下が少し落ち着かないが、室内にいるのは惜しい気がする。
公演の様子は前の日記に記したが、

公園の緑の光と空気が出演者にも影響を与えたようで溌剌として楽しい朗読であった。
16時過ぎ、定刻に終演、外はかなり涼しくなっていて歩くのに丁度よい。30分くらいで南三原駅にはたどり着けるはずで、ゆっくりと駅に向かって歩きだしたが、ひとつ道を間違えたようで、そのうち本来の道に合流するだろうと楽観していたが、遠くに見えた目標の子安神社から
も離れて、橋のない川沿いを歩いて行くうちに完全に違う方向に向かっているが、戻るには遠くに来すぎてもうどうしようもない。
内房線の線路の下を潜り、小さな密集した村落を抜け、村はずれの草の茂った小道を黙々と歩いて、崖沿いの険しい畦道を抜け、漸くのことで国道128号線と410号線の交差点、安馬谷にたどり着く。ここまでで一時間近く費やしていて、かなりからだが火照っている。歩き始めは涼しいと思ったが、湿った畦道を延々と歩いたので足も重くなっている。しかしこれからは間違えることもないだろうからと気を取り直して、ひっきりなしに車の通る国道の歩道を広々とした景色を楽しみながら40分ほど歩きやっと南三原の駅に着く。レンタル自転車の看板が目に入る。歩くには少し広すぎる地域のようだ。

帰りも上下線どちらでも構わないので先に到着する外房線周りの電車を待って帰宅した。途中でしばらく居眠りをしてしまい帰りは乗車時間が短く感じた。


写真左 国道128号線沿いの丸山地区の標識
中央 国道128号線からの遠望、ローズマリー公園と太平洋
右 車窓からの鴨川付近の海岸

南房総ポエトリカル・アンソロジー




                2008年07月20日16:46

丸山町にある、
現在は町村合併で南房総市となってしまったが、
そこの白子地区にあるローズマリー公園で詩朗読「南房総ポエトリカル・アンソロジー」朗読詩人団コトバナに出掛けた。
http://www.mboso-etoko.jp/rosemary/event/showsai.asp?mode=&pn=1&id=6241
「UK-JAPAN2008公認のイベント」
英国文学の朗読ライブ
後援
駐日英国大使館

ローズマリー公園の一角、
シェクスピア・カントリパーク内のシアターホール、頑丈な木造教会風
のホールでゆったりとした古風な木製の椅子には座布団も敷いてあり非常に居心地がよい。
プログラムを見ると、もの凄く格調が高そうで、英語に弱い私は疲労困憊するかと思ったのだが、

1.
濃緑の縞の装束を着けたShinsakuさんのアコステックギター演奏で始まり、イングランド民謡Greensleevsや、今や世界の民謡化したビートルスのLet It Beなど連綿と続くイングランドの歴史を示すようで、色と音の面から、近世イングランドに身体が馴染んでゆくようだった。
なおShinsakuさんの短いギター演奏は、朗読者が代わる度に行われ、幕間の恐ろしい緊張を和らげて、リセットする効果も演出していた



2.
Takakoさんもたっぷりと丈の長い白のエプロンを着けて、19世紀の自然詩人、ワーズワスの詩を闊達に読む。リズムと韻とがワーズワス節を利かすようで、厳かな中にも気持ちが浮いてきて心地よい。
「Intimation of Immortality from Recollections of Early Childfood」
<幼少期の回想から受ける魂不滅の啓示>

参考英文
http://www.online-literature.com/wordsworth/995/

3.山内緋呂子さん、クリスチナ・ロセッティ、ウィリアム・ブレイクの略詩を巧みに読む。山内さんと作者がうまく融け込んで分からなくなっている。山内ファンには応えられない楽しさも醸し出て、原作者の詩を読んでみようという気にさせられる。久しぶりに澄んだ空気の感覚を呼び覚ましてくれた。

4.児玉あゆみさん、ロミエとジュリエット、シュイクスピア原作をあゆみさん化しての絶唱。ジュリエットの状況と現在という生け簀で泳がされている我らの状況を児玉さんの声がダイレクトにつなげてくれて、自由に対する己の不寛容性をしみじみと痛感する。

5.桑原拓也さん、HBDでホールの空気を自由にしたところで、
クマのプーさん、A.A.ミルン原作を桑原さん式に元気良く朗読する。
プークマは子供のくせに、自己意識が強すぎて、素直だけどめんどうくさい、近くにいたら厄介な奴だと思っていたが、はたして桑原さんの
朗読だとその正体が見事に現れて、ダメなクマというクリーストファー
ロビンの優しい声が聞こる、楽しい朗読であった。
即席で舞台に上がったクリストファーロビン役、カメダさん(聴衆)もすぐノリノリになって朗読する楽しさの威力を思い知る。

6.稀月真皓さん、シェクスピアのソネット集より、英詩と稀月さん訳を朗読。稀月さんの朗読は極めて現代的だから、シェクスピアが同時代
人のようにも感じてしまう。シェクスピアの強靱な精神力は稀月さんに
もダイレクトに伝わっていると感じさせられた。

以上皆さん、原作を自分のものとして表現されていて、私のように原作に疎いものにも現在につながるエッセンスを感じさせてもらえ、堪能できた。舞台に合わせた装束も現在のノイズをカットして舞台衣装の威力を知る。
効果音楽を使用されていた方も居られ、朗読とうまく融合されて詩の成分化されていた。

シェクスピア・カントリーパーク




                      2008年07月25日02:20

近世イングランド風の大型木造家屋が建ち並ぶテーマパークで、博物館とは言えないが、その時代を感じさせてくれる風情が漂っている。
シェクスピアの生家を復元した実物大模型と蝋人形が当時の生活を垣間見させてくれるが、明るい照明が用いられていて部屋の隅々まで観察できる。当時の照明は樹脂蝋燭だと思うがその暗さは想像するしかないが、蝋人形が住む太い柱の頑丈な造りの部屋の中の調度や寝台、寝具などを眺めると当時の日本と比べると建物の観念がかなり違うようだ。
外には17世紀初めの風車を復元したものが偉容を放つ。水車に比べると遙かに回転のコントロールに気を遣う風車を使いこなしていた西欧の技術に驚いてしまう。この時代の人たちはノコギリを使うことを恐れないのかと思うばかりの太い角材が西洋人の腕力を誇示するようで圧倒されてしばらく眺めていた。
公演の行われたホールも太い部材で構成されており、当時の建築費はどの程度かかったのだろうかとそんなことばかり考えて、過疎化老化している現在でも十分な補修がなされているとするとそれは凄い経済力であるとも思うと、作っては壊すを常とする風土との相違を知る。