2008年10月8日水曜日

南房総ポエトリカル・アンソロジー




                2008年07月20日16:46

丸山町にある、
現在は町村合併で南房総市となってしまったが、
そこの白子地区にあるローズマリー公園で詩朗読「南房総ポエトリカル・アンソロジー」朗読詩人団コトバナに出掛けた。
http://www.mboso-etoko.jp/rosemary/event/showsai.asp?mode=&pn=1&id=6241
「UK-JAPAN2008公認のイベント」
英国文学の朗読ライブ
後援
駐日英国大使館

ローズマリー公園の一角、
シェクスピア・カントリパーク内のシアターホール、頑丈な木造教会風
のホールでゆったりとした古風な木製の椅子には座布団も敷いてあり非常に居心地がよい。
プログラムを見ると、もの凄く格調が高そうで、英語に弱い私は疲労困憊するかと思ったのだが、

1.
濃緑の縞の装束を着けたShinsakuさんのアコステックギター演奏で始まり、イングランド民謡Greensleevsや、今や世界の民謡化したビートルスのLet It Beなど連綿と続くイングランドの歴史を示すようで、色と音の面から、近世イングランドに身体が馴染んでゆくようだった。
なおShinsakuさんの短いギター演奏は、朗読者が代わる度に行われ、幕間の恐ろしい緊張を和らげて、リセットする効果も演出していた



2.
Takakoさんもたっぷりと丈の長い白のエプロンを着けて、19世紀の自然詩人、ワーズワスの詩を闊達に読む。リズムと韻とがワーズワス節を利かすようで、厳かな中にも気持ちが浮いてきて心地よい。
「Intimation of Immortality from Recollections of Early Childfood」
<幼少期の回想から受ける魂不滅の啓示>

参考英文
http://www.online-literature.com/wordsworth/995/

3.山内緋呂子さん、クリスチナ・ロセッティ、ウィリアム・ブレイクの略詩を巧みに読む。山内さんと作者がうまく融け込んで分からなくなっている。山内ファンには応えられない楽しさも醸し出て、原作者の詩を読んでみようという気にさせられる。久しぶりに澄んだ空気の感覚を呼び覚ましてくれた。

4.児玉あゆみさん、ロミエとジュリエット、シュイクスピア原作をあゆみさん化しての絶唱。ジュリエットの状況と現在という生け簀で泳がされている我らの状況を児玉さんの声がダイレクトにつなげてくれて、自由に対する己の不寛容性をしみじみと痛感する。

5.桑原拓也さん、HBDでホールの空気を自由にしたところで、
クマのプーさん、A.A.ミルン原作を桑原さん式に元気良く朗読する。
プークマは子供のくせに、自己意識が強すぎて、素直だけどめんどうくさい、近くにいたら厄介な奴だと思っていたが、はたして桑原さんの
朗読だとその正体が見事に現れて、ダメなクマというクリーストファー
ロビンの優しい声が聞こる、楽しい朗読であった。
即席で舞台に上がったクリストファーロビン役、カメダさん(聴衆)もすぐノリノリになって朗読する楽しさの威力を思い知る。

6.稀月真皓さん、シェクスピアのソネット集より、英詩と稀月さん訳を朗読。稀月さんの朗読は極めて現代的だから、シェクスピアが同時代
人のようにも感じてしまう。シェクスピアの強靱な精神力は稀月さんに
もダイレクトに伝わっていると感じさせられた。

以上皆さん、原作を自分のものとして表現されていて、私のように原作に疎いものにも現在につながるエッセンスを感じさせてもらえ、堪能できた。舞台に合わせた装束も現在のノイズをカットして舞台衣装の威力を知る。
効果音楽を使用されていた方も居られ、朗読とうまく融合されて詩の成分化されていた。

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